ワカツクインターンシップ体験記 VOl.01 株式会社オプス

地域の課題を学生や企業を結びつけることで、解決する。
その出会いを創出するコーディネーターがいる。
一般社団法人ワカツクのインターンシップ事業を通して、新しい地域の仕事づくりをお伝えします。

そもそもワカツクって?と思った方はコチラ

mission 若手人材を発掘・獲得せよ!〜社員を巻き込んで採用力アップ〜

建物の局所清掃・工事で日本一を目指し、成長を続ける株式会社オプス。高い技術力を武器に、特に高所作業での需要を急速に伸ばす一方で、人材不足に悩んでいました。そこで、実践型長期インターンシップを活用し、若手人材の発掘と獲得を担う「採用戦略担当」を新たに設けました。ミッションは、採用戦略の強化・刷新と、採用力をアップさせるツール作り。取り組んだのは、東北大2年の柚木夏希(ゆうぼく なつき)さんでした。

result 情熱と行動力で現状打破 社員の意識改革ももたらす

ワカツクの長期実践型インターンシップを導入したきっかけは。

われわれは、建物の局所清掃を得意とする企業ですが、現場の中核を担う若手人材の不足に悩んでいました。現場を中心に動いているため、採用まで十分に手が回らず、採用戦略や求人用の広報ツールも特にはありませんでした。仕事があるのに人が足りないというジレンマの突破口を探していたところに、ワカツクのインターンシップを知りました。学生なら、応募する人に近い発想と若い感性で現状を打破してくれるのでは、と期待を込めて導入しました。

実際に導入して、成果はありましたか。

柚木さんは自ら考え、行動する人で、わが社の採用戦略の基礎をしっかり築いてくれました。ホームページの採用コーナーや会社パンフレットなど、将来にわたって活用できる多様なツールが作成できたことも、大変感謝しています。
ワカツクのコーディネーターは、三者によるミーティングを毎月開き、われわれとインターン生が目標を達成できるようフォローしてくれました。冷静な分析と的確な判断にスキルの蓄積を感じ、信頼してお任せできました。

高所での作業も多く若い人材が求められる

社内での評価はいかがでしたか。

実はインターン導入を決めた時点では、社内に懐疑的な見方は多かったですね。しかし柚木さんの熱心な働きぶりに、心を動かされた。彼女が社員の前で行ったプレゼンがきっかけで、「採用は、経営陣や人事任せではなく、全社を挙げて取り組むものなんだ」と社員たちが自ら気づいてくれたことがうれしかった。また、インターン担当者にとっても、プレイングマネージャーとして人を育てる上での良い経験を積むことができました。採用戦略やツールができただけではない効果を得て、非常に価値のあるプロジェクトだったと思います。

企業プロフィール 株式会社オプス

あらゆる建物の清掃・保守・管理を行う総合ビルメンテナンス会社。
特に高所や狭所、ダクト、貯水槽の清掃といった特殊作業に技術力を発揮する。

所在地:仙台市青葉区小田原5丁目1−45
問:TEL 022-722-9901
URL http://www.opus-gr.com/

result 「あなたにしかできない」 その言葉がターニングポイント

インターンシップに応募した経緯は。

県外出身なので、学生時代に宮城ならではの経験をしたかった。地域に密着した企業でのインターンシップは、いい機会だと思いました。コーディネーターに、「今の自分を成長させられる企業を選ぶといい」と助言され、オプスに決めました。自分の課題である、「他人を巻き込んで仕事をする」ことが、ここでなら修得できると考えたからです。

オプスに入って、どんなことをしましたか。

ミッションは採用戦略とツールの作成でした。中でも重要だったのは、高所でロープワークによる作業に携わる「SKET(スケット)」と呼ばれる人材を増やすことでした。
まず、仕事内容やその魅力、社員の会社や仕事への想いを知るため、社内でヒアリングを行いました。また、他社の事例も調べ、オプスの戦略を検討し、プレゼンを行いました。そして、それらをもとに、採用ツールを作成していきました。Webデザイナーや印刷業者との交渉など、初めての体験の連続でした。

苦労はありましたか。

作業を一人で抱え込んだり、大手就職サイトのほうがうまく求人できるのではと悩んだりした時期がありました。何度もコーディネーターに相談するうち、今やるべきことが見えて気持ちが整理できました。会社からは「あなたにしかできないと見込んで任せている」と言われ、気が引き締まりました。外部の業者ではなく社内にいる私だからこそできることを考え、「オプスで働くことの魅力を分かりやすく発信しよう」と思い至ったのです。それからは前向きに取り組むことができました。

大勢の社員の前でプレゼンテーションを行う柚木さん

インターンシップを通して学んだことは。

企業側担当者(スーパーバイザー)や経営陣、社員のサポートもあって「周りを巻き込んで進める」ということを経験しました。いろいろな人と協力した方がいいものを作れることなど、本当に多くを学びました。半年前の自分とは別人のようだし、この経験は大学での活動にも役立っています。インターンシップをやるか迷っている人がいたら、「絶対にやってみるといいよ」と勧めたいですね。

result 事業成功へ導く視点 企業の夢を叶える舵取り役に

今回のマッチングの意義はどのような点にありますか。

オプスは非常に高い技術力を持ち、お客さまからの信頼も厚い企業です。需要に求人が追い付かず、人材不足に悩んでおられました。また、凝り固まった考えを打破したいとお考えでした。この点、柚木さんはアイデア豊富で粘り強く、他人との協働を体得したいという明確な意志の持ち主。彼女であれば、個性豊かなメンバーに揉まれてもくじけずに成果を生め、彼女自身にとっても、協働体験はかけがえのないものになると思いました。

期間中の課題とそのフォローについて聞かせてください。

最初、学生が仕事を抱え込んでしまった際は、具体的なステップを考えて、周りに共有・相談できるようフォローしました。
また、スーパーバイザーとのコミュニケーション不足を感じた際は、双方の声に耳を傾けつつ、歩み寄りポイントを探しました。ほかの企業も集まる中間研修の場で、他社のチームワークに触れたことで、自主的に改善努力がなされるようになったと思います。教えるより、気づきのサポートですね。

取材現場も共有し、事業を二人三脚で展開します

コーディネーターとして心がけたことは。

インターンが入ることで社員の意識が変わる効果もあります。例えば、学生からインタビューを受けることで、働くことの意味や自分の仕事が会社の未来にどう役立つのかを考えるようになるなどです。学生が社員に関わっていけるようなプロジェクトづくりを意識しました。
また、スーパーバイザーと学生は、つい目の前の作業に追われがちになります。両者がプロジェクトの目的や企業の将来像を見失わないように心がけました。今後は、意識の変革や試行錯誤によって、新しい事業を自分たちで生み出して進んで行けるよう働きかけていきたいです。地域が元気になるにはまずは大人が元気でないと。向上心のある若者と志ある地域企業と一緒に、新事業や課題解決に挑んでいきたいです。

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